先月、米ジョンズホプキンス大学が公表した「COVID-19での入院患者の予後を予測するAIアルゴリズム」は大きな注目を集めた(過去記事)。このほど、マサチューセッツ総合病院(MGH)の研究チームは、”外来患者”における転機を予測する機械学習ベースのリスクスコアを開発した。
The Journal of Infectious Diseasesに公表されたチームの研究論文によると、「COVID-19 Acuity Score(CoVA)」と名付けられたこのリスクスコアは、本年3月から5月までにMGHの救命科や呼吸器クリニックを受診した、9,381人の成人外来患者情報から構築された。CoVAを2,205人の別患者で前向きに検証したところ、入院予測でAUC 0.76、重大な合併症で0.79、死亡予測で0.93と、ツールの高い予測精度と汎化性能が確認されている。
チームは年齢や性別、バイタルサイン、既往歴、胸部レントゲン画像などを含む30の予測因子を考慮してモデルを作成したが、そのうち年齢・拡張期血圧・血中酸素飽和度・COVID-19検査・呼吸数の5つが予後予測における高い説明力を示していた。CoVAによる自動スコアリングは、電子カルテシステムに組み込めるよう設計されているため、迅速な臨床評価が重要となる将来的なCOVID-19サージに向けた有効な対策の一つとして提案されている。