医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例Avicenna.AI - 脳卒中検出AIでキヤノンメディカルシステムズと提携

Avicenna.AI – 脳卒中検出AIでキヤノンメディカルシステムズと提携

CTスキャンから脳卒中を検出するAIは各メーカーで導入が進む。優れた性能を達成したAIは大手メーカーと提携し、既存のシステムとワークフローに統合される。以前、脳卒中検出AIの米FDA承認について紹介した「Avicenna.AI(過去記事参照)」が、キヤノンメディカルシステムズとのパートナーシップ締結を発表している。

Avicenna.AIの12日付けニュースリリースによると、脳内出血と主幹動脈閉塞をCTから検出する同社のAIシステム「CINA Head」がキヤノンに提供されることとなった。米国内検証済の検出能力は、脳内出血で精度96%・感度91.4%・特異度97.5%、主幹動脈閉塞で精度97.7%・感度97.9%・特異度97.6%を達成している。システムは20秒以内の自動検出と優先順位付けで読影者に警告を発する。

Avicenna.AIの共同創設者でCEOのCyril Di Grandi氏は「キヤノンメディカルシステムズのような医療画像検査のリーダーとの提携は、優れた検証データの証でもある。私たちのAIが救急救命室とその先の医療に恩恵をもたらすことを楽しみにしている」と語った。AIベンダーからメーカーへの技術提供が画像検査の業界地図をどう変えていくか、今後も目が離せない。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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