進行性メラノーマに対する免疫療法での治療反応を予測するAI研究

皮膚がんのひとつメラノーマによって米国では年間6,800人ほどの患者が亡くなっている。転移し進行したメラノーマの治療として「免疫チェックポイント阻害剤」が広まってきたが、どの腫瘍が治療に反応するか、正確な予測は一般化に至っていない。ニューヨークのランゴーン医療センターを中心に行われた研究「進行性メラノーマの免疫療法における機械学習アルゴリズムを用いた治療反応予測」が学術誌 Clinical Cancer Researchに発表されている。

ランゴーン医療センターのプレスリリースによると、同病院などで免疫チェックポイント阻害剤治療を受けた転移性メラノーマ患者121名から採取された302枚の組織標本によって、病勢進行のリスクが高いか低いかを分類するアルゴリズムが構築された。その検証結果ではAUC0.8前後が達成され、5例中4例で進行性メラノーマの免疫療法に対する治療反応が予測できる見込みとなった。

同研究は比較的画像の枚数が少ないという限界があり、さらに多くのデータを収集し精度を高めることが期待されている。ランゴーン医療センターのDr. Osmanは「現在の精度でも治療前に詳細な検査を受けるべき患者のスクリーニングには使用可能だが、臨床利用のために90%程度まで精度を高められるよう準備したい」とする。

前の記事Zebra Medical Visionが新たなマイルストーン – クラウドベースの画像AIを大規模展開へ
次の記事AIでオピオイド使用障害を早期発見
TOKYO analytica
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。