医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医療系AIスタートアップ・ベンチャー企業の動向Zebra Medical Visionが新たなマイルストーン - クラウドベースの画像AIを大規模展開へ

Zebra Medical Visionが新たなマイルストーン – クラウドベースの画像AIを大規模展開へ

Zebra Medical Visionはイスラエル発の医療AIベンチャーで、複数のモダリティにおいて多くのFDA認証を取得するなど、業界を牽引する存在として注目を集めてきた(過去記事)。また近年は、Canon Medical Systems USAをはじめ、医療画像領域におけるトッププレイヤーとも協調することでその価値を飛躍的に向上させている(過去記事)。

Zebra Medical Visionはこのほど、イスラエル最大のヘルスケアプロバイダーであるClalit Health Servicesとの提携を公表し、クラウドベースの医療画像AIを大規模展開することを明らかにした。イスラエル在住者は、4つの保健維持機構(HMO)のいずれかを選択する必要があり、国民の100%が保険でカバーされている。Clalitは世界第2位・国内最大のHMOで、加入者は全イスラエル国民の実に60%以上となる。過去6年間に渡るClalitとの戦略的パートナーシップに基づき、Zebraは大規模な臨床データ提供を受けてきたが、これをベースとして確立されたAIアプリケーションの導入においてもClalitが大きな役割を果たす形となった。

今回のシステム導入に伴い、Clalitは「クラウドベースのAIソリューションを実装する世界初のHMO」となる。ClalitのArnon Makori医師は「我々は”予防は治療に勝る”と信じているが、人々の健康管理においてAIが果たす役割こそ、この信念を支えるものだ」とし、Zebraと達成する新しいイノベーションに大きな期待を寄せる。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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