患者全体の4分の1以上が何らかの皮膚トラブルを抱えているとの報告があり、実際の現場で医師はその専門分野に関わらず皮膚疾患を識別しなければならない状況が生じる。皮膚疾患診断でプライマリケア医を支援するスマホ対応のAIツールとして、VisualDx社の「DermExpert」がリリースされている。
学術誌 Journal of Investigative Dermatologyに論文掲載された研究では、DermExpertの診断能力が検証された。皮膚疾患データバンク画像からの検証では、補助なしのプライマリケア医で診断精度36%、そこに簡単な視覚的補助を加えると68%となった。一方、DermExpert単独では最も可能性の高い疾患ひとつを挙げた際に診断精度68%を達成しており、鑑別疾患トップ3まで範囲を広げると精度80%であった。
DermExpertは様々な皮膚タイプに対応可能なアルゴリズムを有し、肌の色調が薄い人と濃い人で比較した際にも同等の効果を示した。AI領域でも人種差・健康格差の課題があり、解決が模索され続けている。Business Wire掲載のプレスリリースにおいて、VisualDxのCEOであるArt Papier博士は「DermExpertのプラットフォームで、特に有色人種の皮膚疾患診断を支援する能力が認められたことを大変誇りに思います」と語っている。