子宮頸がんは20-40歳台を中心とした若年世代女性での罹患を特徴とする。ワクチンによる予防が可能ながんとして、WHOはその罹患と死亡を大きく削減することを目標としてきた。子宮頸がんの検診として子宮頸部を観察するコルポスコピーの感度は50-70%程度といわれ、精度向上にAIを活用する動きがある。
イスラエルのテルアビブを拠点とするMobileODTの20日付けプレスリリースによると、同社が商業化した子宮頸がんに対するAI/機械学習での診断ツール「EVA VisualCheck」の有効性を検証する大規模臨床試験のため、米国国立がん研究所(NCI)から230万ドルの助成金を獲得したことを発表した。ポータブルのスマートコルポスコープによる60秒以内の子宮頸がんAI診断を行う同製品は、2021年に約1万人の被験者を対象として従来の標準的な目視検査法などと比較される。
MobileODTはフェムテック企業としてAI技術で女性の健康管理に革新を起こすことを目指す。同社CEOであるLeon Boston氏は「権威ある助成金を受けとることを光栄に思っており、私たちの技術が女性の健康にもたらす価値が認められたと考えます。今回の試験は子宮頸がんの撲滅を加速させるWHOの世界的戦略に照らしても重要なものになるでしょう」と語っている。