バイタルサインからCOVID-19と季節性インフルエンザを識別するAIアルゴリズム

季節性インフルエンザ感染症およびCOVID-19は、臨床経過と転機が互いに異なる一方で、理学所見や一般検査から適切に診断し分けることは容易ではない。米ウェストバージニア大学とカーネギーメロン大学などの研究チームは、バイタルサインから両者を識別する機械学習アルゴリズムを開発した。

ヘルスサイエンス領域のプレプリントサーバーであるmedRxivで公開された研究論文によると、季節性インフルエンザ感染症またはCOVID-19の確定診断を受けた者を含む入院患者、3,833名のデータからこのアルゴリズムを導いたという。バイタルサインと患者基本属性、両疾患の有無のみでトレーニングした多クラス分類モデルは、検証データにおいてもAUC 0.92を示すなど、高精度とともに高い汎化性能を示していた。

研究チームはコードを公開しており、医療従事者による患者トリアージをサポートするための「最前線の診断ツール」として役立つ可能性に言及する。ただし、本研究成果は現時点で査読を経ていないプレプリント論文であることには留意する必要がある。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。