新型コロナウイルスに対する感受性と耐性は、BCGなどの過去のワクチン接種、他のコロナウイルスの既感染、腸内細菌叢などの影響を受け、複数の因子に依存しているという仮説がある。また、COVID-19の急速な重症化には、高血圧・糖尿病・肥満・心血管疾患との間に相関が観察され、理解が進む途上にある。日本の理化学研究所(理研)では情報幾何学とAIを用い、COVID-19による死亡と重症化リスクが高い人を特定する疾患層別化アルゴリズムを開発しており、国際共同研究へつなげる動きがある。
医療AI関連の統合データプラットフォームを提供する企業BC Platformsの26日付プレスリリースによると、同社は理研およびフィンランド国立健康福祉研究所(THL)と共同し、COVID-19高リスク患者予測モデルの国際研究に取り組んでいることを発表した。THLはCOVID-19患者の転機に影響を与える遺伝的特徴を含む個人要因を特定するプロジェクト「COVIDprog」を主導している。BC Platformsは、理研のアルゴリズムで、フィンランドのCOVIDprog対象者のデータを統合し解析するため、同社の独自プラットフォーム「BC | INSIGHT」を提供する。
他のコロナウイルス研究からは、ウイルス感染に直接関与するとされるいくつかの遺伝子が特定されている。この国際共同研究から遺伝子とその表現型の関連性を解明し、COVID-19が一部の患者の重症化と死亡につながる具体的な理由、およびそのメカニズムが理解されることが期待されている。