医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医療系AIスタートアップ・ベンチャー企業の動向Infermedica - 注目を集めるAIトリアージシステムとそのビジネスモデル

Infermedica – 注目を集めるAIトリアージシステムとそのビジネスモデル

ポーランド最大の民間ヘルスケアプロバイダーの1つ、PZU Zdrowieは、医療AIスタートアップであるInfermedicaの提供するAIトリアージプラットフォームを活用している。患者初期対応の自動化・合理化に貢献するこのシステムにより、2019年では実に240万件の患者問い合わせを処理した実績を持つ。

Infermedicaはポーランドに本拠を置くスタートアップで、AIを活用した予備診断とトリアージのためのプラットフォームを提供しており、これまで1500万ドルの資金を調達して研究開発を進めてきた。同領域にはAda HealthBabylonHealthilyといった多数の強力な競合が立ち並ぶが、保険会社や遠隔診療のプロバイダー、各種医療システムと協調した堅実な展開を示す。またInfermedicaは「APIファースト」を謳い、同社の高精度なAIトリアージコンポーネントは他のチャットボットや患者ポータル、電子カルテシステムなど種々の既存プラットフォームと容易に統合することができる。

Infermedicaは、そのテクノロジーをB2Bクライアントにライセンス供与することで収益を上げるビジネスモデルを取っており、SaaSではAPIが呼び出された回数に基づく課金が行われる。COVID-19の拡大下においてさらに需要の高まる同社システムは、不要な対面診療を回避させることで、医療の効率化・適正化に資することが強く期待されている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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