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COVID-19検査の偽陰性率を評価する分析モデル

ワクチンが十分な割合で国民に届くまでの間、世界各国では「あらゆる公共スペースにおける安全開放の是非はCOVID-19検査に依存する」と信じられている。ただし、例えば米国においては、昨年6月段階で85を超えるテストキットやアッセイに緊急使用承認を与えているものの、それぞれの臨床感度は曖昧なままとなっている。

米ベスイスラエル・ディーコネスメディカルセンターの研究チームは、各検査ごとの臨床感度をモデル化する分析ツールを開発し、Clinical Infectious Diseasesから論文を公表している。クラス最高のアッセイでは、「輸送媒体1mlあたり100コピー」というウイルスRNAの検出限界(LoD)を持つ。一方で、現在承認されている検査はそれぞれで、LoDが1万倍以上異なることがあり、LoDが高いアッセイでは感染した患者を容易に見逃してしまう事実がある。

研究チームは、このLoDをプロキシとして特定のアッセイの臨床感度を推定できることを明らかにした。仮に1mlあたり1,000コピーのものでは、COVID-19患者の75%しか検出されず、4人に1人が偽陰性となる。実際、緊急使用承認の得られている検査の1つにおいては、真の陽性症例の最大60%を見逃す可能性がある点にも言及する。チームは、市場に流通する検査キットの結果を鵜呑みにすることの危険性、および検査法間の相互比較を可能にするため、LoDを標準ベンチマークとして用いることの必要性を指摘している。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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