医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医療系AIスタートアップ・ベンチャー企業の動向Perimeter - 術中に病変微細構造を確認できるOCTシステムでFDA認証を取得

Perimeter – 術中に病変微細構造を確認できるOCTシステムでFDA認証を取得

カナダ・トロントに本拠を置くPerimeter Medical Imaging AIは1日、同社の光干渉断層撮影(OCT)システムが米食品医薬品局(FDA)の510(k)認証をクリアしたことを明らかにした。FDA 510(k)は米国内で医療機器販売を行うために必要となる市販前認可で、同製品によって今後、外科医は術中の病変微細構造をリアルタイムに確認しながら手術プロセスを進められるようになる。

Perimeterが明らかにしたところによると、このOCTシステムは摘出された組織標本から微細構造を視覚化するとともに、AIによるレビューによって医師の臨床的意思決定を支援することができるという。悪性腫瘍は一定のマージンを取って摘出することが求められるが、外科医による目視での識別には限界がある一方、術中の迅速病理診断には多くのリソースを要する。OCTシステムによってマージン不足や遺残をリアルタイムで捉えることは、患者予後の改善とともに外科医療を巡る経済面の効率化への期待も大きい。

同社CEOのJeremy Sobotta氏は「臨床開発全体を通じて、我々はユーザーの声に耳を傾けてきた。今回の認可によって、現在の術中ワークフローへの合理化された統合が可能になる。我々の目標は医療システムのコストを削減しながら、患者一人一人の長期予後を向上させていくことだ」としている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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