インド・バンガロールに本拠を置くSimbo.aiはこのほど、医師・患者間の会話を理解することで、電子診療録の作成を支援するSimboAlphaをリリースした。SimboAlphaはクラウドベースのAPIとして提供され、既存の電子カルテシステムなどへの容易なプラグインを実現する。
Simbo.aiによると、1000万件を超える音声記録から臨床NLU(自然言語理解)をトレーニングしたという。SimboAlphaは理想環境以外、つまりノイズの多い実臨床環境を十分に考慮して構築されており、周辺環境音の多い状況下においても単語誤り率(WER)2.58%という高精度を謳う。また、完全なハンズフリーでの動作を実現しており、医師はキーボードやマウスなどの入力装置に触れることなく診療録を作成できるとする。
Express Healthcareの取材に対し、Simbo.aiのCEO・Baljit Singh氏は「インドにおいてこれまで医療者向けに発売された電子診療録システムの中で、最も革新的なテクノロジーだ」と自信を示す。高度な音声認識機能を備えた臨床文書作成支援システムは、医師がより患者と向き合うことを可能とする。また、医師の診療時間の大部分を占める文書作成から解き放つことでも、医療の効率性改善・質的向上が期待される。