医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例AIでコロナワクチン接種への躊躇と戦う - 米病院グループ AdventHealth

AIでコロナワクチン接種への躊躇と戦う – 米病院グループ AdventHealth

米国でのCOVID-19ワクチン接種状況は、カイザーファミリー財団の調査によると「接種済みorできるだけ早く」と回答する市民の割合が次第に上昇する一方で、「絶対に受けたくない(Definitely not)」と回答する人が約13%と、2020年12月以降ほぼ同じ割合で推移している。コロナワクチン接種をためらう市民の意識は各当局にとって重要な課題であり、フロリダ州に本社を置く病院グループ「AdventHealth」はAIを駆使してワクチン接種へのためらいを理解し分析するのに役立てている。

MedCity Newsでは、AdventHealthグループの取り組みを紹介している。同グループでは2020年10月から独自の調査プラットフォーム上で、機械学習・自然言語処理を利用したワクチン接種に対する患者意識調査を行ってきた。累計15万7千人あまりからの解析では、やはり副作用に対する心配が強く、特に持病のある人に顕著であった。また、女性・アフリカ系・ヒスパニック系の患者はためらう度合いが高いこともわかったという。

AdventHealthは2020年12月からフロリダ州でワクチン接種を行う最初の医療機関のひとつとして、州からワクチンの保管・管理を任され、延べ20万本以上のワクチンを受け取ってきた。同グループのAlric Simmonds氏は「ワクチン接種には信頼関係が重要であることを私たちは認識しており、草の根の努力とパートナーシップを活用し、多様なコミュニティから活動へ参加してもらっています」と語っている。一例としてノースカロライナ州ではアフリカ系住民が多い地域の教会と協力し、ワクチン接種を行ってきた。AdventHealthではワクチンへのアクセスに焦点をあてた学術的なタスクフォースを立ち上げており、市民ひとりひとりの懸念に耳を傾け、質問に答えていくため、さらなるAIの活用を進めていくという。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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