機械学習による舌がんの個別化予後予測

Horizontal color close-up headshot of beautiful woman having dental examination.

舌がんは口腔発生のがんで最も頻度が高く、治療の遅れが死亡者増へとつながり、治療に伴う言語障害や嚥下障害も問題となる。舌がんのリスクを適切に層別化し、再発や全生存期間など転帰を予測する機械学習ツールが、フィンランドのヴァーサ大学から発表予定である。

フィンランドのメディア Mediiuutiseteでは、同研究と著者のRasheed Alabi氏を紹介している。Alabi氏の博士論文「Machine learning for personalized prognostication of tongue cancer」は来る4月15日にヴァーサ大学で審査される予定であり、その予測モデルは治療後の舌がん再発率を88.2%の精度で予測している。舌がん患者の全生存期間の予測についても、従来の病期分類やノモグラムを上回る結果を示したという。

同研究はフィンランドの5つの教育病院、およびブラジルのA.C.Camargoがんセンター、米国立衛生研究所の患者データが用いられた。従来のTNM分類は、がん患者の予後を予測する客観的で普遍的なツールであるが、特に早期舌がんに対する予測力には限界があることが指摘されてきた。より予測精度の高いシステムによって、口腔機能に影響するような、効果の乏しい治療や過剰な治療を防ぐことが期待される。

前の記事Microsoftの医療AI進出 – Nuanceを197億ドルで買収
次の記事産後うつ病を予測する機械学習アルゴリズム
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。