COVID-19 – 人工呼吸器の必要性を予測するAIツール

ワクチン接種率の高まりに従って、米国ではCOVID-19による入院率低下と人工呼吸器の必要性減少が観察されていたが、デルタ株は再び一部地域で人工呼吸器の深刻な不足を引き起こしている。各医療機関において人工呼吸器の数には限りがある一方、COVID-19患者のうち、どの患者に人工呼吸器が必要になるかを早期に判断するための一貫した信頼できる方法はなかった。

米ケースウェスタンリザーブ大学の研究チームは、COVID-19患者が人工呼吸器による呼吸補助を必要とするかどうかを予測するAIツールを開発した。2020年にCOVID-19と診断された約900名の胸部CTスキャンデータからAIモデルはトレーニングされており、患者が人工呼吸器を必要とするかどうかを84%の精度で予測できるとする。研究成果は、IEEE Journal of Biomedical and Health Informaticsから公開されている。

研究チームは今回の成果に基づき、同大学病院およびLouis Stokes Cleveland VA Medical Centerにおいて、実際のCOVID-19患者を対象とした臨床評価を検討している。医療スタッフが胸部スキャンのデジタル画像をクラウドベース・アプリケーションにアップロードすることで、人工呼吸器の必要性を予測し結果を戻すAIシステムの構築に取り組んでいる。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。