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認知行動療法の自動評価を行うAIツール

認知行動療法(CBT)は米国で最も一般的なトークセラピーとして知られる。精神科および心療内科領域の種々の疾患群において、その有効性には確たる科学的エビデンスがある。一方で、提供される認知行動療法の「質」を評価することは必ずしも容易ではなく、主観的評価にその大部分を依存してきた。

PLoS ONEからこのほど公開された、南カリフォルニア大学などの共同研究チームによる論文では、訓練中のセラピストと患者の間で交わされた「1,100件以上に及ぶ実際の会話」からCBTの質的評価を行うAIを構築したとしている。AIは自動生成されたテキストトランスクリプションに基づき、セラピストの対人スキルを判断し、セッション中で適切な構成を取ったか(例えば、患者に課された宿題を取り上げたかどうか)、セラピストが患者に集中しているか、自分の話をし過ぎていないか、患者と協力してラポールを築くことができたか、等を適切に識別することができる。また、これらの要素を総合的に判定し、1つの品質指標を生成した。妥当性の検証では人間の評価者との比較において、精度73%での一致をみている。

著者らは「我々は人間の評価者に取って代わるAIを開発するのではなく、評価プロセスの効率を高めるとともに、自己評価のための有効なツールを提供することを目指す」としている。チームは今後、単なるテキストベースの評価ではなく、「抑揚」や「間」といった「話し方」を含むトーンクオリティの評価へと拡張すべく、音声解析技術の更新に目を向けている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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