HIV患者の転帰を改善する機械学習技術

米国立衛生研究所(NIH)はこのほど、米ブラウン大学に対し460万ドル(約5.2億円)に及ぶ研究助成を行った。これは、HIVケアプログラムの効果を高めるための機械学習ツール開発を支援するもの。

ブラウン大学が明らかにしたところによると、この助成金に基づき、ケニアのモイ大学と共同した研究開発プログラムを展開するという。電子カルテデータベースを活用し「ウイルス量の増加によって治療失敗のリスクのある患者」が、いつ・なぜ治療から脱落してしまうかを機械学習アルゴリズムによって予測する。研究チームは、このシステムを電子カルテに統合することで、どの程度有効な成果が得られるかを検証する臨床研究までを計画する。

研究を率いるブラウン大学公衆衛生学・生物統計学分野のJoseph Hogan教授は「医師はアルゴリズムの結果を利用し、どの患者が危険な状態にあるかを診察時点で都度確認することができる。悪い結果が起こってから対応するのではなく、悪い結果を避けるための予防措置を取ることができるようになる」と述べる。HIVケアにおける切実な問題点へのAI利用として、研究動向に関心が集まる。

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