医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例X線画像から歯周病を検出するAI研究

X線画像から歯周病を検出するAI研究

歯科X線画像へのAI応用については、虫歯・歯根破折などを検出する試みが行われてきた。これまで利用が限定的であった「AIによって歯周病をX線画像から検出する」新たな研究が、トルコのエスキシェヒル・オスマンガジ大学のチームから発表されている。

欧州歯周病学会(EFP)が主催する国際学会「EuroPerio10」で発表された同研究では、バイトウィング法で撮像されたX線画像から、歯周病の検出を行う深層学習アルゴリズムを構築した。歯周病患者から取得した434枚のX線画像によってトレーニングされた畳み込みニューラルネットワークは、歯周病に特徴的な所見として歯槽骨量減少・歯根端部欠損・歯石などを特定することができており、感度と精度の調和平均「F1スコア」は、全歯槽骨量減少で0.96、歯根端部欠損で0.66、歯石で0.82を達成した。

著者でエスキシェヒル・オスマンガジ大学のBurak Yavuz氏は「本研究は、他の手法では見逃し得る歯周病について、AIで自動検出できる可能性を示している。X線画像評価の繰り返しを避けることで放射線被曝を低減するとともに、歯周病の静かな進行を防ぎ、より早期の治療介入が可能になるだろう」と語った

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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