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化合物とタンパク質間の相互作用を「自然言語でモデル化」

米フロリダ州オーランドに本拠を置くセントラルフロリダ大学(UCF)の研究チームは、AIを用いた高精度スクリーニング技術によって、有望な医薬品候補化合物の特定を高速化できる可能性を明らかにした。研究成果はこのほど、Briefings in Bioinformaticsから公開されている。

研究論文によるとこの技術は、薬物とタンパク質の相互作用をタンパク質結合部位ごとの「単語」で表現し、深層学習を用いて両者の複雑な相互作用を支配する特徴を抽出するというもの。「自然言語で相互作用をモデル化する」という興味深いアプローチは「AttentionSiteDTI」と呼ばれ、候補化合物の特定精度は最大97%に達するという。研究者らは、化合物とタンパク質の結合相互作用を測定する実験室内実験を行っており、モデルが計算で予測した結果と比較することで、モデル性能を検証した。この実験では、SARS-CoV2ウイルスのスパイクタンパク質に結合する薬剤化合物のテストと検証も行われている。

UCFで材料科学工学を率いるSudipta Seal氏は「このインパクトある研究は、材料工学とAIの専門家、およびコンピューターサイエンティストらが学際的に協力し、COVID関連の発見に取り組んだからこそ実現したものだ」と述べ、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機とした成果であった点にも言及する。

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