人獣共通感染症であるサル痘の感染拡大を受け、主症状である皮膚の発疹から、どのように効率的な医療機関受診へつなげるか。トルコ・サカリヤ大学の研究チームは「皮膚画像からサル痘感染を識別するディープラーニングベースのモバイルアプリケーション」を開発している。
Journal of Medical Systemsに掲載された同研究では、ディープラーニングフレームワークとしてTensorFlowを用い、サル痘の皮膚病変画像を識別するモデルを構築した。Androidアプリに組み込まれた同AIモデルは、スマートフォンカメラによって撮影した皮膚画像から、サル痘の陽性/陰性を判定するもの。検証の結果、本システムでは91.11%の精度でサル痘の病変画像を分類できたとしている。
チームは3つの異なるデバイスでアプリケーションの挙動を検証しており、平均推論時間は197ms、91ms、138msと、いずれも十分に高速であったことも強調している。著者らは本システムにより「サル痘を疑った患者がモバイル端末を用い、在宅で安心してスクリーニングを受けられる環境の構築」を目指す。
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