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サル痘の皮膚病変を識別するモバイルAIアプリ

人獣共通感染症であるサル痘の感染拡大を受け、主症状である皮膚の発疹から、どのように効率的な医療機関受診へつなげるか。トルコ・サカリヤ大学の研究チームは「皮膚画像からサル痘感染を識別するディープラーニングベースのモバイルアプリケーション」を開発している。

Journal of Medical Systemsに掲載された同研究では、ディープラーニングフレームワークとしてTensorFlowを用い、サル痘の皮膚病変画像を識別するモデルを構築した。Androidアプリに組み込まれた同AIモデルは、スマートフォンカメラによって撮影した皮膚画像から、サル痘の陽性/陰性を判定するもの。検証の結果、本システムでは91.11%の精度でサル痘の病変画像を分類できたとしている。

チームは3つの異なるデバイスでアプリケーションの挙動を検証しており、平均推論時間は197ms、91ms、138msと、いずれも十分に高速であったことも強調している。著者らは本システムにより「サル痘を疑った患者がモバイル端末を用い、在宅で安心してスクリーニングを受けられる環境の構築」を目指す。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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