代表的な神経変性疾患であるパーキンソン病(PD)では、低音障害と音声変化が「古典的な運動障害に先行するソフトサイン」として知られている。国立台湾大学の研究チームは、音声と顔貌特徴から早期PDを識別する機械学習モデルを構築した。
npj Parkinson’s Diseaseから29日公開されたチームの研究論文によると、半数がPD患者である371名の研究参加者に対し、スマートフォンを用いた記事の読み上げを行わせ、音声と表情の同時記録を行った。これらのデータに基づき9種類の機械学習分類器をトレーニングしたところ、最も高精度なモデルにおいては、早期PD患者をAUC 0.85で識別できることを明らかにしている。
著者らは「音声と表情の総合的な生体的特徴から、早期PD患者と非PDの高齢者を十分に識別できる」としており、今後の研究発展と知見の臨床活用に期待が集まっている。
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