医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例AI創薬の支援プラットフォーム

AI創薬の支援プラットフォーム

急速に進む高齢化、慢性疾患有病者の増加、新しい病原体の出現など、「新薬による新しい治療法の必要性」がかつてないほどに高まっている。しかし、候補化合物を見つけ、新薬として市場に送り出すことは、多くの失敗と少ない成功に彩られた「長く困難で、途方もなく高額な費用のかかる旅」でもある。

米ハーバード大学医学部の生物医学情報学者であるMarinka Zitnik氏が率いるチームは、AI主導の創薬を最適化することを目的としたプラットフォームを立ち上げている。Therapeutics Data Commonsと呼ばれるこのオープンアクセスプラットフォームは、化合物の同定から臨床試験での薬効評価に至るまで、医薬品開発のあらゆる段階において、低分子医薬品、抗体、細胞・遺伝子治療など多数の治療法に関連するデータセットのキュレーション、およびアルゴリズム設計・性能評価などを提供する。

Zitnik氏自身がこのプラットフォームを構想し、現在はMITやスタンフォード大学、カーネギーメロン大学、ジョージア工科大学、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校、コーネル大学の研究者らと共同し、プロジェクトの推進に努めている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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