米ミネソタ大学などの研究チームは、340万人を対象とした大規模研究により、タバコやアルコールの使用に関連する数千の遺伝子変異を特定した。研究成果はこのほど、Natureから公開されている。
チームの研究論文によると、ゲノムワイド関連解析(GWAS)により喫煙・飲酒行動と関連する3,823の遺伝子変異を特定しており、うち39は喫煙開始年齢と、243は1日に吸うタバコの本数と、849は1週間に飲むアルコール量と関連することを明らかにした。GWASは多数の人々の遺伝子配列を比較することにより、疾患や行動と遺伝子との関連を見つけようとするもの。21%に欧州以外の祖先を持つ、民族の多様性を担保した大規模データセットから、ゲノムデータを組み込んだ機械学習モデルを構築し、当該遺伝子変異の特定に至っている。
研究者らはまた、「飲酒と喫煙に関する遺伝的関連の大部分は、異なる祖先間で同様の効果を持つこと」を見出している。ミネソタ大学ミネアポリス校の心理学者で、論文執筆者であるGretchen Saunders氏は、「一般に、これらの行動特性と結びつく遺伝子構造は先祖代々同様であることも示唆している」と述べ、集団内に集積する特性を世代を経て引き継ぐ可能性を指摘する。チームはさらに多様性を強固にするため、追加データセットの提供・共有を歓迎している。
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