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生理信号とハイブリッド学習に基づく睡眠障害検出

睡眠障害を早期に診断し、心血管疾患や認知障害などの関連する長期健康リスクを低減するためには、睡眠時覚醒を正確に検出する必要がある。このため睡眠を専門とする医師らは、睡眠ポリグラフ(PSG)記録を分析し、睡眠中の覚醒レベルを判定するために多大な時間と労力を費やしてきた。

イラン・メイボッド大学の研究チームは、PSGに基づく自動睡眠時覚醒検出システムのベースとなる「新しい検出法」を開発し、その成果をComputational Intelligence and Neuroscienceから公開した。動径基底関数(RBF)カーネルを持つサポートベクターマシン(SVM)を最適化するため、修正ドローン隊最適化(mDSO)アルゴリズムが使用されることが特徴。DSOは、大域的数値最適化のための新しい自己適応型メタヒューリスティクスとなる。チームの提唱手法は平均エラー率で2-7%未満であり、5つの睡眠段階への分類については92.3%の精度を示していた。

著者らは「睡眠障害の臨床試験において、PSG信号に基づくハイブリッド学習モデル技術は覚醒検出に有効である」とし、高精度・高効率な新手法の有用性を強調している。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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