実臨床環境における「AIベースソフトウェアの効果検証」を狙ったランダム化比較試験により、AIが胸部X線写真上の肺結節検出を大幅に改善することを明らかにした。研究成果は7日、北米放射線学会(RSNA)の機関誌「Radiology」に掲載された。
肺がんの主要な所見である「肺結節」の検出は、胸部X線検査における重要なタスクの1つである。多くの研究で、AIを用いたコンピュータ支援検出ソフトウェアが放射線科医のパフォーマンスを向上させることが示唆されているが、実際の臨床環境で広く使用されてるわけではない。研究者らは、2020年6月から2021年12月までの間に、韓国の健診センターで胸部X線検査を受けた10,476人を対象とする試験を実施した。受診者はランダムに2群に割り付けられており、片方はAI支援の放射線科医による読影、もう片方はAI支援無しでの読影となる。結果、AI支援あり群では、無し群に比べて2倍以上の肺結節検出率を示していた一方、それぞれの誤判定率に有意な差は見られなかった。
著者らは「我々の研究は、AIが胸部X線写真の解釈に真に役立つことを高いエビデンスレベルで示した。これは胸部疾患、特に肺がんをより早い段階で効果的に発見することに貢献する」としている。
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