デンマークの治療審議会はこのほど、腫瘍性疾患の診断に用いる意思決定支援ツールとしての「コンピュータ支援大腸内視鏡検査」の導入を現時点で推奨しないことを明らかにした。これはデンマークでの既存ガイドラインに照らし、過剰治療を誘発する恐れがあるためという。
デンマークではガイドライン上、「確認されたポリープは全て切除すること」が基本となっているため、わずかな変化も見逃さないよう設計されたAI支援システムの導入によって、本来的に有害性の低い病変を含めた過剰な切除が進むことにより、「合併症リスクが潜在的利益を上回る可能性」を指摘している。
新技術の台頭に基づき、国単位での既存ガイドラインを安全かつ効果的に更新するためには、単にAIの網羅的な検出性能を示すのみではなく、最終的な患者利益が最大化する「有効な検出」を狙った設計と評価が肝要となる。
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