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ジョンズホプキンスの大規模「AIヘルシーエイジング研究」

米ジョンズホプキンス大学はこのほど、AIを用いたヘルシーエイジング研究について、米国立老化研究所(NIA)から2000万ドル(約26.8億円)に及ぶ研究助成金を獲得したことを明らかにした。この資金は今後5年間に渡り、14のプロジェクト推進に充てられる。

身体的・精神的・社会的に十分な機能を保持しながら自立的な生活を送ることを目指す「ヘルシーエイジング」は、世界的な高齢化の進展によって広く重要な観点となった。同大学の公表によると、この大規模研究計画には、社会的孤立を減らすためのバーチャルリアリティプラットフォームの開発、高齢者の身体バランス改善を支援するAI搭載ハンドル型デバイス、白内障やその他の加齢に伴う眼疾患をスクリーニングするAIアルゴリズムなど、ヘルシーエイジングを根幹に多方面アプローチによるテーマ設定がなされている。

ジョンズホプキンス大学ケアリー・ビジネススクールのPhillip Phan教授は、「我々のプロジェクトはそれぞれのテーマが、『市場でどう使われるか』を事前に考慮してあることが特徴だ」とし、研究成果を実効性のあるソリューションとして逐次展開できることを強調する。また、研究成果に期待される重要な影響として「長期慢性療養施設への入所者を減らし、自宅で健康に暮らす人々を増やす」ことを挙げている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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