米カリフォルニア州パサデナに拠点を置くヘルスケアスタートアップの「Regard」はこのほど、シリーズAラウンドで新たに1530万ドル(20.6億円)の資金を調達したことを明らかにした。RegardのAIソフトウェアは、医療機関のシステムに直接統合することで患者の医療記録を自動分析し、未診断の疾患を抽出・警告することができるもの。心不全や糖尿病、うつ病、不安症状など、日常臨床における一般的な疾患および症状を90%以上の精度で識別することができる。
同社製品は2020年のリリース以降、3万人以上の患者に利用されてきた実績を持つ。システム利用料は月額500~700ドルで、シダーズサイナイ医療センターやトーランス記念医療センターなど、米国における12の名だたる医療機関を顧客に持つ。CEOのBen-Joseph氏は「我々は、医師が見逃してしまうような病状を発見するのに役立つプロダクトを提供しており、市場における価値を維持し続けている」とする。
Ben-Joseph氏はマサチューセッツ工科大学(MIT)で学士号を、スタンフォード大学でコンピュータサイエンス修士号を取得後、メディカルスクールへの進学を決めた2017年に2名の共同創業者とともに同社を設立した。シーダーズサイナイのTechstarsが支援するアクセラレータープログラムでスタートを切っており、新型コロナウイルスのパンデミックを背景に医療従事者の燃え尽き症候群が深刻化するなか、医療者の負担軽減を支援する同システムは大きな期待を集めるに至っている。
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