抗結核薬の副作用をAIで予測

抗結核薬には肝障害の副作用がよく知られており、治療中の結核患者には肝機能検査によるモニタリングが必要となる。台湾・奇美医療センターの研究者らは「結核治療による副作用と予後を予測するAI研究」を発表している。

Diagnosticsに掲載された同研究では、台湾の3病院における結核患者2,248名の一般臨床検査データなどから36種の変数を用い、急性肝炎・急性呼吸不全・死亡率を予測するAIモデルを構築した。6種のアルゴリズムを検証した結果、急性肝炎の予測ではXGBoostが最も高いAUC値(0.92)を達成しており、感度は0.77、特異度0.92であった。また、急性呼吸不全の予測ではランダムフォレストがAUC 0.834、死亡率の予測では多層パーセプトロン(MLP)がAUC 0.834を示している。

早期の肝障害は無症状の場合も多く、できるだけ早期に薬剤性の肝障害を発見することは、患者の予後改善に重要な役割を果たす。研究グループでは「AI支援によって医師が肝炎のリスクを認識し、重大な副作用が発生する前に、より頻繁かつ集中的に肝機能をモニタリングできるようになる」と本研究の意義を論じている。

参照論文:

Using an Artificial Intelligence Approach to Predict the Adverse Effects and Prognosis of Tuberculosis

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