Journal of Medical Internet Researchに掲載されたフロリダ国際大学ビジネスカレッジ(FIU Business)の研究成果は、患者データと社会的健康決定要因(SDoH)データを活用した機械学習ツールにより、脳卒中診断のスピードと正確性を向上させ、臨床医らのケア品質向上に資する可能性を示した。
2012年から2014年におけるフロリダの急性期病院での受診・入院記録、および政府主導の地域調査に基づくSDoH情報を用いて機械学習モデルをトレーニングしており、病着時の患者情報から脳卒中リスクを予測するというもの。バックグラウンドで機能する同ツールは高リスク患者を検知すると、診療チームにアラートを送る仕組みとなる。14万人を超える患者データでの有効性検証により、83%の精度で脳卒中を識別することができたとする。
米疾病予防管理センター(CDC)によると、米国では年間80万人が脳卒中に罹患し、そのうち60万人が初発であるという。初発患者の病因検索は時に複雑である一方、脳卒中の転帰には診断と治療開始のタイミングが重要で、症状発現から1時間以内の治療開始によって大きな予後改善を見込むことができる。本ツールは迅速な判断の欠かせない脳卒中対応について、医療者を支えるセーフティネットとして機能する可能性が期待されている。
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