米カーネギーメロン大学「Human-Computer Interaction Institute(HCII)」の研究者らは、ピッツバーグ大学などと共同し、集中治療室(ICU)における敗血症治療をサポートするAIシステムを構築し、その有効性を明らかにしている。
米疾病予防管理センター(CDC)によると、米国成人では年間約170万人が敗血症を発症し、そのうち少なくとも35万人が病院で死亡するか終末期医療に送られているという。ICU滞在中に敗血症の診断基準を満たした18,000人以上の患者を対象に学習したこのツールは、臨床医がデータセット内の患者をリスクに応じて適切にフィルタリングすることを支援する。また、個々の患者の病状がどのように進行するかを予測した上で、最終的に決定した治療法の結果とモデルの予測値を比較できるように設計されている。「AI Clinician Explorer」と呼ばれるこの対話型臨床意思決定支援(CDS)インターフェースは、敗血症治療を支援するため、研究チームによって2018年に開発され改良が続けられてきた(参照論文)。
研究チームのメンバーであるVenkatesh Sivaraman氏は「1人の人間が、あらゆる状況での最善の方法を知るため、全ての知識を網羅することは不可能だ。だから、AIは臨床医らが考えもしなかった方向に誘導したり、彼らが最良の行動と考えるものを検証する手助けをすることができるかもしれない」と述べている。
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