関節痛に悩む患者から早期の関節リウマチ(RA)を見つけ出し、適切な治療介入を行うことは、疾患予後を改善する重要なポイントとなる。オランダ・ライデン大学病院の研究チームは、手足のMRI画像をAIで自動解析し、早期のRAを予測する研究を推進している。
2023年の欧州リウマチ学会(EULAR)年次総会で発表された同研究によれば、早期発症関節炎の患者1,247人(2年以内にRA発症538人)、および臨床的な関節炎疑い患者727人(2年以内にRA発症113人)からなる、計1,974人から収集した手足のMRI画像を元に、RAを予測するディープラーニングモデルをトレーニングした。この結果、早期発症関節炎グループでは識別性能としてAUCで0.683、臨床的な関節炎疑い患者グループではAUC 0.727を達成している。これは、RAのMRIによるスコアリング(RAMRIS)を用いた専門家評価(AUC 0.69-0.74)に近い精度を持つことから、AIによるRA患者の自動予測の可能性を示している。
著者らは「新たなAI手法により、滑膜の炎症など既知の所見の重要性を再認識するとともに、新しい画像バイオマーカーの特定や、早期RAの疾患プロセス理解を深められる可能性がある」と考察している。
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