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高解像度CTで自己免疫性関節炎を分類するAI研究

自己免疫性関節炎には、関節リウマチや乾癬性関節炎といった分類がある。しかし、バイオマーカーの確立が不十分で、X線画像による診断の精度も十分ではないことから、分類困難となるケースも多い。独・フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルク(FAU)の研究者らは、「指のCTスキャン画像をAIで解析し、関節リウマチ・乾癬性関節炎・健常関節を識別する研究」を行っている。

Frontiers in Medicine: Rheumatologyに発表された同研究では、自己免疫性関節炎患者で早期に異常がみられやすい指の関節「中手指節関節(MP関節)」に着目し、高解像度CT(HR-pQCT)画像データからニューラルネットワークの訓練を行った。被験者611名、932件のHR-pQCTスキャンを対象とした研究の結果、同AIモデルは健常な関節の識別でAUROC 82%、関節リウマチでAUROC 75%、乾癬性関節炎でAUROC 68%という検出能を示した。この結果は画像検査のみでのパフォーマンスとしては十分に高く、リウマチ専門医のレビューと組み合わせることでさらに正確な診断につながる、とチームは考察している。

著者でFAUのLukas Folle氏は「本研究の結果から、AIによって関節炎の分類がより簡便になり、より迅速な治療につながる可能性を示すことができた。このAI手法を超音波やMRIなど、より身近に利用できる画像検査に転用することを計画している」と述べた。

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1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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