オリンパスは5日、内視鏡画像診断に関する革新的なクラウド型AI技術で知られる英「Odin Vision社」の買収を完了したことを明らかにした。本買収は昨年12月に両者が締結した合意契約に基づくもの。
公表によるとオリンパスは、同社の内視鏡システムにデジタルソリューションを組み合わせ、リアルタイムで手技・臨床・医療機器に関するデータを収集・分析することを狙う。「最新のAIアルゴリズムやソフトウェアを活用したデジタルプラットフォームを搭載することで、医療従事者の管理作業上の負担を軽減し、臨床現場での業務効率向上に寄与するのに加え、医療従事者がより良い臨床ケアを患者に提供するためのサポートを目指す」としている。
また、オリンパスは Odin Visionの買収を通じてデジタル戦略実現の基礎を固めたロンドンを皮切りに、世界各地に「デジタル・エクセレンス・センター(DEC)」を設立する計画を立てている。オリンパスのデジタル戦略に、Odin Visionの強力なポートフォリオ、AI技術、ソフトウェアの専門知識や開発能力を組み込むことで、相乗効果を生み出すとし、今後、DECはハンブルクやボストン、東京など同社の主要な技術開発拠点に拡大し、将来的にはシリコンバレーやテルアビブへの進出も視野に入れる。
オリンパスのデジタルヘルス・グローバルビジネスリーダーのShawn LaRocco(ショーン・ラロッコ) 氏は、「内視鏡のリーディングカンパニー、そして、この分野のイノベーターとして、当社は、次世代の商用技術や独創性を医療従事者の方々に提供することに努めてまいります。オリンパス単独では実現出来ないため、今後も、Odin Vision社のように、同じ熱意を持つ第三者の開発パートナーとの連携を推し進めてまいります」と述べた。
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