乳がんスクリーニングへのAI適用について研究が進み、特にマンモグラフィ検査における乳がん検出精度に期待が寄せられている。一方、進行がんや中間期がん(Interval Cancer: 検診間隔の合間に発見されるがん)に対する長期リスク予測の精度については検証の途上にある。米国のメイヨークリニックとカリフォルニア大学サンフランシスコ校の共同研究チームは、Screenpoint社の乳がんリスク評価AI「Transpara」と、Volpara社の乳房密度評価AI「TruDensity」を用いた乳がんの長期リスク予測についての研究を進めている。
Journal of Clinical Oncologyに掲載された同研究では、2,412人の乳がん患者における「診断から2〜5.5年前に実施されたマンモグラフィ画像」を用いて、従来の評価指標(放射線科医の読影およびBI-RADSガイドライン)と、AIツール(TransparaおよびTruDensity)の長期リスク予測能力を比較検証している。その結果、Transparaの独自AIスコアをTruDensityの乳房密度測定値と組み合わせることで、浸潤がん・進行がん・非進行がん・中間期がんなど、各カテゴリーに対する長期リスク予測能力が、従来の評価手法よりも向上することが確認された。
Screenpoint社のCSOであるNico Karssemeijer教授は、「乳房密度と乳がんリスクの関連は以前から知られていたが、近年の研究により、密度と画像ベースのリスク評価を組み合わせた手法がより理解され、個別化医療を推進できるようになった」と述べている。
参照論文:
関連記事: