サウジアラビア・リヤドにあるキングサウード大学の研究チームは、ChatGPTを活用した個別化医療の推進として、世界疾病負荷研究(GBD)の知見と組み合わせることによる個別化治療計画の策定を提案している。
GBDは米ワシントン大学保健指標・保健評価研究所(IHME)を中心に、複数の世界的機関(ハーバード大学やインペリアルカレッジロンドン、東京大学、WHOなどを含む)が共同し、進められてきた最大規模健康追跡調査。現在では、150を超える大学や研究機関、政府機関が参加する共同研究となっている。オープンアクセスジャーナルであるCureusから公開された論文では、GBD研究に基づくデータ駆動型知見とChatGPTの会話能力を統合することで、「患者のライフスタイルや嗜好に沿ってカスタマイズされた治療計画の立案」ができる可能性を指摘する。
研究者らは「この統合は、AIによる個別化疾病負荷(AI-PDB)評価および計画ツールへと発展する可能性がある」とするとともに、GBDの地域データにアクセスすることで、地域で流行している疾患や症状の予防と制御のための「地域ベースの推奨事項」を策定できる点にも言及する。
参照論文:
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