米国をはじめとする欧米諸国では、食道がんと胃がんの一部が、過去50年間に劇的に増加しているという事実がある。なかでも致死率の高いEAC(esophageal adenocarcinoma)とGCA(gastric cardia adenocarcinoma)について、米ミシガン大学などの研究チームは、電子カルテデータから発がんリスクを予測する機械学習ツールを構築した。
Gastroenterologyに掲載されたチームの研究論文によると、K-ECAN(Kettles Esophageal and Cardia Adenocarcinoma predictioN)と呼ばれるこのツールは、診断の少なくとも3年前に発がんを正確に予測するという。逆流性食道炎は食道腺がんの重要な危険因子だが、EACやGCAの約半数は発症前にこの種の胸焼け症状を自覚しておらず、「症状の有無に関わらず高リスク者を特定できること」が有用であると主張する。
ミシガン大学の内科学領域で教授を務めるJoel Rubenstein氏は「電子カルテに存在する大量のデータを活用し、スクリーニングの時期や処方のタイミングなど、本ツールによってリスクに応じた最適なプランを提示できる」と述べている。
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