NIH – 腎移植AIで280万ドルを助成

米フロリダ大学の研究者らは、腎移植の転帰改善に資する「AIベースの臨床意思決定支援システム」の開発について、米国立衛生研究所(NIH)から280万ドル(4.2億円)の研究助成金を得たことを明らかにした

公表によると、これは5年間に及ぶプロジェクトの一環として「AIモデルが腎移植患者の診断、予後予測、ケア管理をどのように支援できるか」を検討するもの。具体的に開発中のAIツールの1つには、患者データと腎臓組織サンプルの分析から、移植転帰を予測するものがある。転帰を正確に予測する能力は、臓器の入手可能性と臓器拒絶反応という、移植医療に影響を与える重大な問題のいくつかに対処する可能性を秘めている。

フロリダ大学インテリジェント・クリティカル・ケア・センターの画像処理部門で副部門長を務めるPinaki Sarder博士は、「我々の課題は、医師が最良の情報に基づいた判断を下せるよう、最も一貫性のある医療情報を提供するシステムを開発することだ」と語っている。

関連記事:

  1. 米臓器移植ネットワーク – 肺移植の割り当てを公平化する新システム
  2. OrCA – 移植臓器の質を評価するAIプロジェクト
  3. 心臓生検の病理画像から移植拒絶反応を評価するAI
TOKYO analytica
TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事