階段の上り下りから、床のモップがけに至るまで、日常における「短時間のちょっとした運動」が健康転帰の改善につながることを、シドニー大学の研究者らが明らかにした。
The Lancet Public Healthから今月公開された研究論文によると、中等度以上の強度で行われる10分未満程度の短い運動が、主要な心臓イベントおよび全死亡を有意に減少させるという。これは2.5万人以上を追跡した新しいウェアラブル研究の成果となる。UKバイオバンクの手首装着型ウェアラブルデバイスデータと機械学習アプローチを用い、42歳から78歳の英国成人25,241人において、身体活動パターンを10秒間の超短時間ウィンドウまで分析した。結果、少なくとも1~3分間継続的に動くことは、1分未満の非常に短い運動よりも有意に有益であった。また、総活動量に関係なく、運動時間は長いほどよい(例えば、30秒よりも2分)。また、各運動における活発な活動の割合が高ければ高いほど良く、少なくとも運動時間の15%(1分あたりおよそ10秒)をハアハアと息をつく程度の運動が含まれていればより効果的となる。
日常生活活動を通じて中程度から強度の活動を短時間で行うというアイデアは、計画的な運動を躊躇する、あるいはできない人々にとって、有効な身体活動をより身近にするものだ。研究結果は、短時間であっても活発な活動を含むこと、またそれが少しでも長いことによって利得が得られることを示している。
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