Translational Psychiatryにこのほど掲載されたレビュー論文では、「自然言語処理(NLP)を用いたAIベースのメンタルヘルス向けツール」に関して、システマティックレビューとメタアナリシスを行っている。
うつ病や不安障害などの神経精神疾患は、医療制度に大きな経済的負担を与えており、2030年までに世界で年間6兆米ドルにも達すると推定されている。一方、臨床人材は乏しく、メンタルヘルス評価のための広範な訓練が必要であるにも関わらず、利用可能な治療の質にはばらつきがあることも課題となってきた。研究チームは、Pubmed、PsycINFO、Scopusの各データベースで論文をスクリーニングし、精神的な健康評価に向けたNLP利用に焦点を当てた研究を特定した。
最終的なサンプルセットは102の研究で構成されたが、これらの研究の54%が2020年から2022年の間に発表されたものであり、同領域におけるNLP手法の急増を示唆している。言語表現に最も多く使用されたのはWord Embeddingsで、全体の半数近くで利用されていた。最も一般的なNLPモデル機能は、語彙と感情分析となっていた。
全体として、NLP手法はメンタルヘルスへの十分な適用可能性を持つことを強調している。さらに著者らは、特徴的な貢献を1つのフレームワーク(NLPxMHI)に統合することを提案しており、情報学と臨床の研究者が協力し、メンタルヘルスサービスの革新のための新しいNLPアプリケーションの可能性までを概説している。
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