米Stanford Medicineの研究者らは、眼液研究のために開発した技術を用い、「眼の老化」を測定する新手法を提案している。
このほどCell誌から公開された研究論文によると、この新技術は、眼液中の約6,000個のタンパク質を調べ、そのうちの26個を使って老化を高精度に予測できるというもの。チームが有するTEMPO(tracing expression of multiple protein origins)技術では、RNA(タンパク質を作り出す)が存在する細胞の種類までタンパク質を追跡することで、疾患を引き起こすタンパク質の細胞起源を理解することを可能にする。TEMPOは眼球の老化計測だけでなく、肝胆汁や関節液など、他臓器液への応用も期待される。
研究者らが「まるで生きた細胞を手に取り、虫眼鏡で観察しているかのよう」と表現するこの技術は、分子レベルでの深い理解により、個々の眼球状態に基づいた治療薬選定など、精密医療の加速に資する可能性がある。
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