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「犬の老化」を探る大規模データ収集プログラム

近年、愛犬との関わりは変化し、従来のペットとしての愛玩動物から、生活を共にする家族としての伴侶動物(コンパニオンドッグ)といった役割が大きくなっている。こういったなか、北米の大学群を中心とし、「犬の老化」に焦点を当てた大規模データ収集プログラムが進行している。

2018年、米テキサス大学やワシントン大学、その他数十に及ぶパートナー機関の研究者が協力し、この大規模データ収集プログラム「Dog Aging Project」がスタートした。現在、32,000頭以上の犬が登録され、収集された多面的データはオープンデータセットとして世界中の科学者に公開されている。このほどNatureから公開された研究論文には、犬の募集と種々のコホートへの割り当て、データ収集の手段、チーム管理まで、本プロジェクトの詳細と、倫理的、法的、社会的な意味合いや、期待される科学的知見についても言及している。

ワシントン大学が明らかにしたところによると、本プロジェクトは「犬の老化に影響を与える遺伝的、環境的、生活習慣的要因」を特定し、その根本的な分子メカニズムを解明することで、犬の健康寿命を延ばすための潜在的方法を検証するという。また、犬の老化を検証することは獣医学領域だけでなく、ヒトの老化と健康を理解することにも資するため、今後の得られるであろう研究知見への関心は非常に大きい。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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