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AIは糖尿病性眼疾患の進行を予測できるか?

Nature Medicine誌にこのほど掲載された研究において、中国の研究者らは、眼底画像を用いて糖尿病網膜症の進行を予測する「DeepDR Plus」と名付けられたディープラーニングシステムを開発した。このシステムは、5年以内の糖尿病網膜症の進行リスクと進行までの時間を予測できるとしており、個々人に合わせたスクリーニングと治療戦略策定への道を開いている。

DeepDR Plusは、上海統合糖尿病予防ケアシステムおよび上海糖尿病予防プログラムに登録された、179,327人の糖尿病患者から得られた717,308枚の眼底画像に基づきトレーニングされている。内部検証では、低解像度の画像を用いたにも関わらず、本モデルは既存のメタデータモデルよりも優れた性能を示していた。また、本モデルは8つの外部データセットにおいて、いずれも頑健な性能を維持し、糖尿病網膜症の進行までの具体的な時間を高精度に予測できることを実証している。

極めて有望な研究成果の一方で、DeepDR Plusのトレーニングが中国人集団で行われたこと、内在的バイアスの可能性、治療レジメンの違いによる性能のばらつき、実際の臨床応用がないことなどから、本研究には一定の限界がある。今後の追加的検証に大きな期待が集まっている。

参照論文:

A deep learning system for predicting time to progression of diabetic retinopathy

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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