医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医療画像・テキスト生成モデルの最新研究 - 中国

医療画像・テキスト生成モデルの最新研究 – 中国

医療分野におけるAI活用の進展が期待される一方で、高品質な医療画像データの不足がAIモデルの開発や臨床応用を妨げている。この問題を解決するため、中国の研究チームにより、さまざまな臓器や画像モダリティに対応可能な医療画像・テキスト生成モデル「MINIM」が開発された。MINIMは、光干渉断層撮影(OCT)、胸部CT、脳MRIなどを対象に、テキスト指示から高品質な合成画像を生成できることが特徴である。

Nature Medicineに発表された研究によると、同チームは合成画像の品質を臨床医による主観評価と、6つの客観評価でMINIMを検証した。その結果、MINIMは既存の生成モデルを大きく上回る画像生成能力を示した。さらに、強化学習を通じた自己改善や転移学習によって、合成画像の多様性と精度がさらに向上したことが確認された。また、MINIMから生成された胸部X線や乳房MRIなどの合成画像を既存の診断モデルの学習データに用いることで、既存の診断モデルの精度が最大17%向上するなど、臨床的な有用性が実証された。その他にも、乳房MRIにおける乳がんのHER2陽性の有無や、肺CTにおける肺がんのEGFR変異型の鑑別タスクにおいても精度が向上することが示された。

著者らは「MINIMは、医療分野におけるAI活用の新しい基盤を提供し、個別化医療や診断精度の向上に貢献する可能性がある」と述べている。

参照論文:

Self-improving generative foundation model for synthetic medical image generation and clinical applications

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Shun Katayose
Shun Katayose
1.片寄駿 旭川医科大学医学部卒(MD)、Columbia University研究員、Accenture, LPIXELにて機械学習エンジニア、医療AIスタートアップのCEOなど。
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