GE Healthcare – MRIから合成CT画像を生成するAIソリューション

GE Healthcareはこのほど、Spectronic Medicalとの協力によってMRI画像を「合成CT画像」に再構成し、より正確ながん治療計画立案を実現するAIソフトウェアの提供を明らかにした。がん治療患者の60%に放射線治療が必要となるが、放射線治療計画の策定には、病変部のみを標的選択するための高品質画像が求められる。CT画像が現在のゴールドスタンダードであるが、軟部組織のコントラストがなく同部の描写に劣ることと、放射線被曝などが問題となってきた。

GE Healthcareが明らかにしたところによると、ベースとなったのは同社の深層学習による画像再構成技術と、Spectronic Medicalによる画像変換技術であるという。GEのAIR Recon DLはMRI画像の生データからノイズの低減、画質および解像度の最大化、スキャン時間の短縮までを実現するもの。ここにSpectronic MedicalによるMRI画像からCT画像への変換技術を適用することで、「軟部組織の詳細までを描写できるCT画像」を合成することに成功している。

この画期的技術について、スウェーデン・スコーネ大学病院のAdalsteinn Gunnlaugsson医師は「この合成CT画像により、従来のCT画像や複数画像アプローチの必要性そのものを排除できる」とし、臨床ワークフローの合理化と患者アウトカム改善に新技術が大きく貢献し得る可能性を強調している。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。