Canonの画像再構成AI技術がPET/CTでFDA認証取得

Canonが各種検査で画像再構成技術(DLR: Deep Learning Reconstruction)の実用化を進め、規制当局の認証をクリアしてきたことをこれまで紹介してきた(過去記事)。

Canon Medical Systems USAの10日付プレスリリースによると、同社のDLR技術「AiCE」はデジタルPET/CTシステム「Cartesion Prime」における米FDAの510(k) 認証を取得しており、6月12日~15日開催のSNMMI (米国核医学会・分子イメージング学会)2021年次総会でシステムが展示される。AiCEの深層ニューラルネットワークに基づくDLRが分子イメージングの領域にも進出したことで、画質の向上のみならず、患者にとってさらなるスキャン時間および被曝の低減につながる。

がんの全身検索に有効なPET/CTであるが、近年のシステムでも撮像に20分程度の安静が必要なため、姿勢保持が難しい状況の患者にとって負担が大きい。また、検査前1~2時間に検査用の放射性核種(18F-FDG)を静脈注射で体内に取り込ませるプロセスもある。AiCEは検査プロトコルに組み込んでスキャン連動で再構成することにより、AiCEの被爆低減効果を見込んだ最適条件を設定することが可能となり、高速化・低線量被曝の点から患者の負担軽減が期待できる。Canonの技術搭載が各種検査に出揃ってきたことで、DLRにおけるAI技術の実用化はいよいよ身近なものになってきた。

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1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。