頭の動きで自閉スペクトラム症を識別

中国・深セン大学の研究チームは、「頭の動き」から自閉スペクトラム症(ASD)の識別を行う機械学習アルゴリズムの開発に取り組んでいる。

Journal of Autism and Developmental Disordersから11日公開された研究論文によると、ASD児および非ASD児に対して10のYes/Noで回答する質問を行い、回答に伴う頷きや首振りを解析することでASDの有無を識別しようとしている。ピッチ・ヨー・ロールの3次元ベクトルとしてみた回転方向それぞれに対して、頭の回転範囲(RR)と1分あたりの回転量(ARPM)を算出し、これらに基づく機械学習分類器のトレーニングを行った。結果、92.11%の最大分類精度を達成し、「頭部の動きのダイナミクスにASDを特定し得る客観的なバイオマーカーが含まれている可能性」を明らかにした。

ユニークなアプローチであるとともに、結果の一般化可能性が担保される限りにおいて、非侵襲的なスクリーニング手法として有効である可能性が高く、各方面から追試の進むことが期待される。同種アプローチは他の精神疾患へも適用範囲の拡大が見込まれるだろう。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。