透析療法を受けている患者は、一般集団と比較して死亡リスクが著しく高く、死亡リスク要因の把握は早期介入のために重要である。中国の研究チームは、血液透析患者における死亡リスクを予測する機械学習モデルを構築し、その研究成果をfrontiersに発表した。
研究チームは、2021年から2024年の間に武漢中央病院透析センターで血液透析を受けた512名(生存群300人、死亡群212人)のデータをレトロスペクティブに解析した。ロジスティック回帰、ランダムフォレスト、K近傍法、サポートベクターマシン、XGBoostの5つの機械学習モデルを訓練した結果、K近傍法が最も高いパフォーマンスを示した(AUC0.9792)。SHapley Additive exPlanations分析(SHAP分析)によると、血液透析患者の死亡予測に寄与する特徴量として、透析導入年齢、クレアチニン値、白血球分画、血中リン濃度、非抱合型鉄が重要であることが明らかになった。
本研究により、K近傍法を用いたアルゴリズムが高リスク血液透析患者の死亡率低下に寄与する可能性が示された。研究チームは、「今後は多施設での大規模サンプルを用いた前向きコホート研究を実施し、一般化可能性と外的妥当性を検証する必要がある」と述べている。
参照論文:
関連記事: