肝硬変患者に生じる潜在性肝性脳症の早期発見に向け、音声から得られるデジタルバイオマーカーを用いた機械学習モデルの有用性を検証した研究が報告された。本研究は、音声分析によるパーキンソン病の診断研究に着想を得たものである。スロバキアの研究チームらは、npj Digital Medicineにその成果を発表した。
本研究では、肝硬変と診断され、軽度の意識障害など潜在性肝性脳症の基準に該当する徴候を認める患者を対象群とし、健常ボランティアなどを比較群として「あー」「えー」などの母音をわずか15秒間発声させた録音データを収集した。研究チームは、得られた音響特徴量を入力として、潜在性肝性脳症の有無を識別する予測モデルを構築し、エラスティックネット、サポートベクターマシン、ランダムフォレスト、XGBoostの4種類の機械学習モデルで評価した。結果として、XGBoostモデルが最高AUROC値81.20と高い値を達成した。さらに、最もモデルに影響力の大きい特徴量から、潜在性肝性脳症患者は声量の変動が減少する傾向にあり、潜在性肝性脳症はより一定で粗い声質を維持することが示唆された。
著者らは、音声解析に基づくAIモデルが、非侵襲かつ短時間で潜在性肝性脳症のスクリーニングを行える可能性を示唆すると述べている。さらに、今回の結果は、音声に反映される神経・運動機能の微細な変化が潜在性肝性脳症の病態と関連することを示す知見であり、将来的には在宅モニタリングや遠隔医療での活用が期待されるとしている。
参照論文:
Prospective evaluation of speech as a digital biomarker for covert hepatic encephalopathy
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